2025年1月26日のメッセージ 降誕節第5主日礼拝

「天の国は近づいた」 マタイによる福音書 4章12章~17章

1.「イエスは、ヨハネが捕らえられたと聞き、ガリラヤに退かれた。・・『ゼブルンの地とナフタリの地、海沿いの道、ヨルダン川のかなたの地、異邦人のガリラヤ、暗闇に住む民は大きな光を見、死の影の地に住む者に光が差し込んだ。イザヤ8:23』」

イエスがヨハネから洗礼を受けると、間もなくヨハネは捕らえられ石牢に幽閉されました。イエスはヨハネが先駆者の働きを終えたことを悟り、聖霊の力に満ちてガリラヤへと帰り、救い主として立たれました。こうして、イザヤの預言が成就します。ガリラヤ地方はヨルダン川西岸に広がる肥沃な平野で牧畜や農耕が盛んです。またダマスコとエジプトを結ぶ大街道の中継地であって、多数の民族や異教の宗教と文化が行きかう自由な思想に満ちた人々が住むにぎやかな地域でした。

そこにイエスが登場されて、あらゆる偶像と世の富に囚われた人々の上に光が差し込んだのです。こうして、イエスの宣教はガリラヤのカファルナウムから異邦人の世界に広がっていったのです。

2.「そのときから、イエスは『悔い改めよ。天の国は近づいた』と言って、宣べ伝え始められた。」

公生涯の最初の言葉は「悔い改めよ。神の国は近づいた」です。イエスが呼びかける権威ある言葉にどう応答しますか。悔い改めとは方向転換する意志を意味し、世の富と欲がからむ罪と滅びに捉われた人生観を捨て去って、光のイエスに向かって歩き始める決意です。なぜなら、イエスと共に(すでに今だに)神の国は近づいたからです。イエスによって神の国は人間の歴史に突入したのです。「今日、御声を聞くなら、心をかたくなにしてはならない、ヘブライ4:7、詩95:7」と勧められています。

(2025.1.26 田中直子牧師)