2023年10月1日のメッセージ 聖霊降臨節第19主日礼拝
「放蕩息子のたとえ」(ルカによる福音書15章11節~32節)
ルカ15章にはよく知られているたとえが三つ記されています。
1.百匹の羊の内の一匹を失った男の人です。
見つけるまで探し回り、見つけたら友達や近所の人たちを呼び集めて喜びます。
2.十枚の銀貨の内の一枚を無くした女の人です。
家中を掃き、見つけるまで念入りに捜し、見つけたら友達や近所の人を呼び集めて喜びます。
3.二人の息子の一人を失った父親です。
弟息子は、父から分けてもらった財産を金に換えて遠い国に旅立ち、湯水のように財産を使い果たしてしまいます。飢饉で食べ物もなくなり、どん底の中で我に返り、弟は父の元へ帰る決心をします。家から遠く離れていたのに、父は見つけて走り寄って抱きしめます。父は失った息子の帰還を喜んで盛大な祝宴を開きました。
これらのたとえの心は一つです。悔い改めた一人の罪人のために天において大きな喜びがあり、神が祝宴を開かれるのです。
ところで、兄息子はファリサイ派や律法学者たちを代表しています。
父親が弟を寛大に扱ったことを認めず、弟に代表される徴税人や罪人が悔い改めて、神のもとに立ち帰ってきたことに腹を立ててしまいます。
教会の私たちは、罪人の一人が悔い改めて救われることを願う神の喜びを、共に喜ぶ友人たちです。
(2023.10.1 田中直子牧師)